こんにちは、福岡市博多区の社会保険労務士・FP(ファイナンシャルプランナー)の井村太郎です!
この度、井村社会保険労務士事務所は「やまと経営者連盟(大経連)」へ入会いたしました。
やまと経営者連盟(大経連)入会に至った経緯
開業するにあたり前々から経営者団体等への加入を検討していたのですが、この度、ようやく加入する団体を決めました(厳密には、「次世代型経営者コミュニティ」)。
これまでも何度か、親交のある方々からいくつかの団体にお誘いいただいたのですが、自分の価値観に合う団体がなかなか見つからず入会には至りませんでした。
そんな中で、たまたま「やまと経営者連盟」の事を知り、「どういう組織・団体なのか」「どういう価値観なのか」を詳しく調べ熟考した上で入会を決めました。
入会の決め手は、やはり「価値観」でした。
譲れない価値観は「経世済民」
私は長らく(約10年超)経済オタクなのですが、当時から変わらず譲れないのが「経世済民」という価値観や考えです。
経済の語源である「経世済民」とは、「世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと」で、要するに「国民全体が豊かに、安全に暮らせるための政策」のこと。
言い換えれば、「自分や自分の身近な人さえ良ければよい」という価値観ではなく「自分や身近な人だけでなく、日本や日本国民といったマクロの視点で、国民全体が豊かになること」で、私はそれを重視しています。
既存の経済団体・経営者団体の多くは「日本経済と社会の発展」や「国民生活の向上」といったことを大目的に定めており、それらの大目的については、私も同意しており異論はありません。
ただし、その目的を達成するための手段や前提となる知識が根本的に異なり、私が既存の経営者団体への加入をためらった決定的な理由が以下の二つです。
- 新自由主義(ネオリベラリズム)
- 誤った貨幣観と緊縮財政
経世済民の妨げとなる「緊縮ネオリベ」
経世済民とは対極にある「今だけ、金だけ、自分だけ」の「新自由主義(ネオリベラリズム)」という思想
ここ30年における日本の経済政策などは「新自由主義(ネオリベラリズム)」という思想・概念に基づいて行われており、これは、国家の市場(経済活動)への介入は最小限にし(要するに小さな政府)、民営化や規制緩和といった構造改革を行うことで市場の自由競争を促し経済の効率化と発展を目指す思想です。
字面だけ見ると良い思想の様にも思えますが、実際に行われるのは大企業や資本家がより利益を得られるような規制緩和や構造改革です。要するにレントシーキング。
この新自由主義(ネオリベラリズム)に基づいて各種政策が行われ続けてきた結果、日本は「失われた30年」ともいわれる長期経済停滞(長期不況)に陥っています。
そんな中で、コロナ禍や外的要因によるコストプッシュインフレがさらに追い打ちをかけ、国民の困窮が止まりません。
また、新自由主義の悪影響は経済面にとどまらず、日本の各種安全保障にも及びます。
国の安全保障は、防衛安全保障だけでなく、国民を飢えから守る「食料安全保障」、国民の生活を維持していくために必要なエネルギーを安定的に、また低廉な価格で供給する「エネルギー安全保障」、防災安全保障、医療安全保障など多岐にわたり、これらは経世済民(国民が豊かに、安全に暮らすための政策)を実現するための基盤です。
民営化や規制緩和といった構造改革により「必要な規制」すらも撤廃され、政府の悪政により今もなお各種安全保障が毀損され続けています。
このように、「自分たちの利益のためには多くの国民が貧しくなろうが、国の安全保障が毀損しようが関係ない」という「今だけ、金だけ、自分だけ」の新自由主義(ネオリベラリズム)という思想は到底受け入れられるものではありませんし、私が重視する経世済民(国民全体が豊かに、安全に暮らせるための政策)とは対極にあると考えます。
誤った貨幣観と緊縮財政
つい先日も、「経団連が少子化対策を含めた社会保障制度維持のための財源として消費税の引き上げを提言」というニュースが報じられましたが、政府の政策においてとかく取り上げられるのが「財源問題」。
「国の借金1,000兆円。国民ひとり当たり○○百万円。」
と度々メディアで報じられますが、先の参議院本会議では岸田首相が『国債は政府の負債であり、国民の借金ではありません』と述べており、実は、日本において財源問題はありません。
- 管理通貨制で、そもそも日本円という通貨(硬貨と日本銀行券)を発行しているのは統合政府(政府と日銀)
- 国の借金は、統合政府が発行できる円建て国債であり、日本の財政破綻は論理的にあり得ない
- 日本銀行券が日銀にとっての負債であるのと同様に、国債は「政府の負債」であり、要するに現代における通貨発行の一類型
- 政府支出の財源は、税金である必要は無く通貨発行でよい。むしろ不景気のときは、減税と通貨発行による政府支出の拡大が合理的な政策
- 国の借金(政府債務残高)それ自体は、単に通貨の発行履歴にすぎない
上記から分かるように、政府には国の借金問題、つまり財政的な制約は無く、(無論、インフレ率という制約はあるものの)必要であれば通貨を発行すればよいだけです。
このように貨幣や国債、通貨発行の仕組みを理解していなければ、常に「財源問題」がつきまとうため、「増税または政府支出削減(年金の減額など)」の様にトレードオフの発想に終始し、十分に国民のための政策ができません。
やまと経営者連盟の価値観や目標
やまと経営者連盟の以下の価値観や目標に共感したため、この度入会させていただきました。
- 日本らしいシラスの価値観を大切にする
- “私”や”利”だけでなく”国”や”公”についても自分ごととして捉えられる
- 利益や利益の追求のみならず、国益のことも真剣に考えられる
「日本を良くしたい」という思いはありますが、まだまだ未熟ですので、こちらで学び、成長したいと思っております。
おわりに
経営者団体等への加入にあたって、国益や国民益まで考える人の方が圧倒的に少数派でしょう。
それに、身近な人脈形成やビジネスの拡大といったビジネス上のメリットだけ、つまり「自分が儲ければ良い」という価値観であれば、規模が大きく、会員数も多い福岡県の各種団体へ悩むこともなく加入していたでしょう。
しかし、「社会保険労務士」という専門家としての矜持を持っているからこそ、社会保険労務士の目的・使命である「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」ためにも、”私”や”利”だけでなく”国”や”公”についても自分ごととして捉え、「私益や利益の追求のみならず、国益のことも真剣に考えられる」仲間とともに成長したいと思い、この度「やまと経営者連盟」に入会いたしました。
日本や国民全体のことを大切に思っている志の高い仲間と切磋琢磨しながら精進してまいります。
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