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「岸田インフレ」について思うこと

こんにちは、福岡市博多区の社会保険労務士・FP(ファイナンシャルプランナー)の井村太郎です!

ウクライナ情勢による影響で世界的に物価が上昇しており、世間では「岸田インフレ」なんて言われているようです。

参院選が近く色々と思うところがあり、「岸田インフレ」に関することなどを記載してみます。

大前提として、「インフレ」とは

まずインフレについてですが、インフレとはインフレーションの略で、物やサービスの値段(物価)が上がることをいいます。

また、一単位の通貨で購入できる物やサービスが減ることになりますので、逆に言えば、通貨の価値が下がるとも言います。

ここまでは多くの方が認識していることだと思います。

では、インフレはどのような場合に起きるかと言うと、総需要が供給能力を上回っている超過需要のときに起きます(下図参照)。

インフレギャップとデフレギャップ

三橋貴明.新世紀のビッグブラザーへ.https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entrylist.html

ディマンドプルインフレとコストプッシュインフレ

インフレは、総需要が供給能力を上回っている超過需要のときに起きる、と書きましたが実はインフレには種類があり、発生原因によって次のように分けられます。

  • ディマンドプルインフレ…需要牽引型のインフレ。景気向上により総需要が供給能力を上回り、超過需要になることで起きるインフレ。
  • コストプッシュインフレ…原材料費などの生産コストの上昇により起こるインフレ。

今回の「岸田インフレ」がどちらなのかと言うと、ウクライナ情勢による原油価格や食料価格の高騰といった外的要因がインフレの発生原因ですから、コストプッシュインフレであることが分かります。

ちなみに、ディマンドプルインフレを「良いインフレ」、コストプッシュインフレを「悪いインフレ」ということもあります。

物価上昇を何で見るべきか

ところで、このインフレ(率)を何の指標で判断するのかということも大事な部分です。

一般的には、消費者物価指数(CPI)で判断するのですが、この消費者物価指数(CPI)には下記のようにいくつか種類があります。

  • 総合指数…最も幅広い物やサービスを対象にした指数
  • コアCPI(生鮮食品を除く総合指数)…天候や市場などの外的要因によって価格変動が大きくなる生鮮食品を除いた指数
  • コアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数)…天候や市場などの外的要因によって価格変動が大きくなる生鮮食品及びエネルギーを除いた指数

これらのうち、物価上昇を何で見るべきかと言うと、良いインフレ(ディマンドプルインフレ)にするためにコアコアCPIで見るべきだと思います。

このコアコアCPIは、アメリカなど諸外国でも重視されている指標でもあります。

日本のエネルギー自給率は10%台と先進国の中でも極めて低く、食糧自給率(カロリーベース)も4割程度と、エネルギー資源と食料の多くを海外に依存しているため、物価は世界情勢に大きく影響されてしまいます。

日本は緊縮財政、ネオリベラリズムといった誤った経済政策により30年近くデフレなわけですが、今回のように外的要因によって生産コストが上昇し物価が上がったからと言って「景気が良くなった」と感じる人はいないでしょう。

必要なのは利上げではなく消費税廃止、ガソリン税0

さて、今回の「岸田インフレ」は国内の需要が旺盛になって起こったディマンドプルインフレではなく、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰といった「外的要因」によってもたらされたコストプッシュインフレなわけですが、野党第一党である立憲民主党の泉健太代表は、物価高を止めるために政策金利の引き上げを主張しています。

政策金利の引き上げは確かに景気やインフレが過熱気味の時に実施されるものではあるのですが、なぜ政策金利の引き上げを行うかと言うと、民間金融機関の貸出金利を上昇させ企業の借り入れを抑制するためです。

前述したように今回の岸田インフレは外的要因によってもたらされたコストプッシュインフレです。コロナ禍の影響が依然残っている中、政策金利の引き上げを実施すると設備投資などの需要が落ち込んでしまいます。

今必要な政策は利上げではなく、強制的に物価に上乗せされている消費税を廃止し、ガソリン税を0にすることが合理的だと思いますが、皆さんはどう思いますでしょうか?


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●編集後記

記事執筆中、BGMとして何か聞こうとYoutubeを見ていたところ、たまたま見つけた【田村淳のNewsCLUB】で、れいわ新選組代表の山本太郎さんが出演されており、経済について語られていました。経済オタクからすると、政策が抜群に良いのはれいわ新選組ですね(れいわ新選組だけと言っても過言ではないですね)。

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